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21世紀の日系人社会 実態と展望 ー 真のかけはしを目指して ー 日日系人子女の教育問題について:

日本で教育を受けた又受けている日系人たちの子女も、義務教育である中学校までは、多少の問題があっても学校側が卒業させているため問題はあまりないようだが、高校では入学しても中退者が増えていると報告されている。

日系人は、はじめの頃は単身で来日したケースが多かったが、92年ぐらいからは家族単位での就労が目立ち、それまで本国にいた妻子を呼び寄せ、そのまま日本の学校に転入さしたケースが多い。しかし、ゼロからスタートした子供たちは比較的スムーズに適応したと思われるが、小学校の後半や中学校の時に来たものは多くの問題を抱えている。

日本は適齢期いわゆる年齢によって幼稚園から小学校、中学校へと入学が決められているが、長期の闘病生活や特別な例外を除けば何の問題もなく適齢期に卒業するのである。義務教育期間中は成績がかなり悪くても落第や退学がないため、日本語の理解力が不十分である日系人子女であっても中学まではなんとなく卒業するのである。

しかし、標準のレベル以下では高校にはなかなか入学できず、入学したとしても卒業はそう簡単にはできない。義務教育でないため、ついていけない者はやめていくことになり、問題を起こす者は退学処分になる(外国人には義務教育規定が適用されないため、小学校や中学校を途中でやめても教育委員会は強制的に学校にもどす権限は持っていない)。

南米諸国では、義務教育であっても落第制度が徹底しており小学校初期の段階から連続の落第生というケースもあり、勉強についていけない学生は他の学生よりももっと時間をかけて進んで行くのである。日本には、このような制度がないということでみんなが同じ時期に入学し卒業するという仕組みになっているが、異なった能力レベルのニーズには対応できないのが難点である。

日系人の子女は、高校ぐらいになって初めて日本の教育制度の厳しさと南米とは異なった競争原理を知るようになるようだが親はそのことをほとんど把握していないことで親子のコミュニケーションと意識ギャップは深まる一方である。また、把握したとしても生活費等を稼ぐことに必死になっており子供の教育については十分に気を配っていないことがしばしば見られる。最も問題になっているのが、家族単位としての稼ぎを増やすために未成年である自分の子供に仕事をさせてしまっていることである。夏休みやのアルバイトならともかく、問題は普通の従業員と同じ勤務体系で工場や現場で働かせているケースが増えていることである(労基法第56条は、満15歳未満の児童の雇用は制限・禁止しているが、最近、東京日系人雇用サービスセンターでも日系人の親から15歳ぐらいでも働ける求人情報の問い合わせがよくある)。

いずれにしても日系人が集中している地域では自治体がバイリンガルのカウンセラーや日本語の支援講座で子女の日本語能力アップを図っているが、日系人の親の中には日本語だけではなく母国語(主にポルトガル語)の講座も設けてほしいと要望しているようである。しかし、そのような内容を日本の政府(自治体)に負担を求めるのはいくら同胞への配慮といっても他の外国人コミューニテイとのバランスもあって認めてはならない。

その一方、最近はブラジル学校の”インターナショナル・スクール”のようなものが登場し、本国のカリキュラムで学校教育を行う民間の仕組みが群馬県や静岡県に出来ている。しかし、本国の文部省の認定はあるものの、本国へ帰った場合、ある程度の大学へ進学するにはかなりの補助コースでレベルアップを図らなければ無理だという指摘も聞かれる。また、このような学校は日本の塾と同じように民間運営であるということで、本国からの補助金は受けられず教員の採用基準及びレベルには問題もあるようだ(ほとんがパート契約)。

試みとしてはそれなりに評価できるが、日本での生活と教育とのバランスを考えた場合、どこまでその教育内容が日系人子弟の将来にプラスに影響するのか、また帰国した場合どこまで有効に機能するのかということを再検討し充実さす必要がある。

真剣に子供の教育を考える親であればたしかに大きな悩みごとであるが、答えの第一歩は日本の教育制度をもっと把握することであり、そこからメリットやデメリットを考えた方がいいように考える。日本国内の英語圏の国際スクールを除いた民族系教育機関の事例をみても、本国だけではなく生活拠点である日本や世界主要国で認められる教育内容でなければ、子供の将来にはあまり役に立たず問題の解決にもならない。もし、日本のたブラジルやペルー学校で教育を受けた後も日本に残った場合、日本や世界の労働市場で通用する人材なのかということも考えなければならない。

どの言語であっても、移民先の国の教育機関でそれなりに勉強していれば、今の国際化時代ではいずれどこかでその学問や専門的な知識が役に立つが、中途半端な教育と語学力では上級教育や海外留学への道も閉ざされてくる(注4)。

日本に定着する可能性が高いと判断した場合は、やはり日本の正規の学校で勉強することがベストの選択であると考える。母国語教育が補完的な存在であっても、日本の教育機関を大学レベルぐらいまで履行していればまた、祖国への留学も十分に可能である。しかし、本国認定のカリキュラムとはいえ、限られた環境での教育では、本国へ帰国した場合にもその効果と有効性にはかなりの不安要素が残る。

南米に移民した日本人も、多くの不安を抱えながらも子供の教育にはかなり悩んだようである。しかし、ほとんどの場合、移民先の国の教育を積極的に受けさせた。そして、日本語教育に関しては塾のような形で日系人社会の中に形成し多大の努力をしながら可能な限り運営してきた。そのおかげで比較的短期間で多くの二世や三世がその国の一流大学に進学し社会的地位を獲得しただけではなく、日本語を学んだお陰で日本への留学も可能になった。専門的な職業に就いたということだけではなく、父母や祖父母から学んだ責任感やまじめさを以て南米社会では尊敬され、中には日本との架け橋の役割を果たしてきた。残念ながら、日本に住んでいる日系人の親は決してみんながそのような意識をもっているようではなく、教育現場でも対応に苦しんでいるのが現状である。

こうした状況の中、日本の学校に通っている日系人子女、主に南米から途中転校してきた学生には日本語教育の支援事業の充実が必要かと考える。現在、文部省の方針もその方向に動いているようだが、日系人や他の外国人が多い自治体では限られた財源を元に日本語の補助コースを実施している。こうした試みの充実とともにやはり親への日本語教育も必要である。

現在は、地元のボランテイア団体等に依存していることが多いが、仕事に追われてあまり時間のない外国人のお父さんやお母さんにも日本での生活と本格的な自立を支えるために支援することが望ましいように思える。子供たちは、いかなる問題を抱えても学校に通っている以上、日本語は覚えていくに違いないが、肝心の親たちはその成長には到底ついていけない。親子間のスムーズなコミュニケーションと日本での自立を支援するという形で日系人をはじめ、日本に住んでいる外国人にも日本語教育を充実してほしい。

この部分がクリアされれば、外国人は「客」、「外からの労働力」、「一時的出稼ぎ者」という固定された偏見がやわらぎ、日本の良き理解者、良き隣人、良き異文化交流の機会とされていくのではないかと、多少楽観的な期待を寄せたい。

注4:ペルー人の場合、本国の文部省認定の通信教育プログラムが導入されているが、アフターフォローやサポートの教員が日本でいないため、当初期待された効果は得られていないようである。何人か、本国の大学にも進学できたというケースも紹介されたが、それは並の努力ではなかったようである。  もう一つの問題は、日本でブラジル学校を卒業しても日本の大学には進学できないことである。民族学校に通学した在日韓国・朝鮮人は、日本の文部省が設定している大学入試の資格を与える「大学入学資格検定」という試験をうけて対応しているが、これも非常に難しい試験である。

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