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21世紀の日系人社会 実態と展望 ー 真のかけはしを目指して ー 日系人の雇用形態について:

(財)海外日系人協会 季刊「海外日系人」掲載(2001年)

日系人の社会保障、主に年金加入問題について:

本来存在してはならない「派遣会社」を通じて7割以上の日系人が間接的な雇用関係の下で働いている。雇用関係である以上、雇用形態や契約期間の如何を問わず、その派遣会社は通常の雇用関係と同様に雇用主として日系人労働者を社会保険(健康保険及び厚生年金)や労災保険、雇用保険に加入しなければならない。しかし実態は、日系人の理解不足や目先の金銭的な利益追求意識もあってほとんどが社会保険に加入しておらず、自治体を通じて医療保険に相当する国民健康保険にしか加入していない(注3)。例外を除いて年金には一切掛けていないのが現状である。雇用保険に関しても、ようやく加入率が増えてきたようだが、それでも十分とは言えない。雇用主の責任逃れもあるが、日系人の安易な意識がこのような無防備な状況を助長しているのである。

一番の問題は、保険料を負担していないならともかく、掛けていても場合よっては年金が受給できないということである。それは、現年金法では、25年以上保険料を納めていなければ受給資格が得られないということであるが、日本人や特別永住者そして永住者に関しては空期間というのが認められており、海外に一定の期間住んでいたとしても支払った保険料に準じて年金が支払われることになっている。しかし、日系人を含む一般の外国人には、その空期間が認められないため、仮に20年間納めていても受給資格は得られないのである。

たしかに、国の年金制度を維持するためには例外事項が多いと制度自身の趣旨に反してしまう恐れがあるが、問題はこの規定と平行して平成6年に年金法改正で制定された「脱退一時金制度」があまりにも不十分であるということなのである。この制度は外国人のみが利用することができ、”出稼ぎ者”への配慮ともいえる試みなのだが、帰国した際に本国から手続きを行うことによって、それまでの掛け金のかなりの部分を払い戻してくれる制度である。しかし、その返還額が厚生年金の場合最大36ヶ月分の掛け金が限度であり国民年金に関しても同じ期間で最高額が210.600円である。5年や10年掛けた者に関しては非常に不合理な制度になってしまっている。

また、一般の外国人にはこの空期間を認める如何に、社会保険に加入していたとしても25年間の納付期間を年齢上の制限から掛けられないため、退職したときに年金は受給できないという問題もある(40歳から45歳ぐらいの時に来日した場合、いくら年金を納めても結果的には受給資格が得られないということで一円ももらない状況が発生しているのである)。これでは、雇用主にも日系人にも加入は勧めらないし意味がないのである。

また、脱退一時金を手続きしたとしても長年掛けたほんの一部しか返還されないため、帰国しても日本より物価が安い本国でも年金生活をおくることは非常に困難である。

こうした問題に対応するためには、日系人全員が永住権を取得して受給資格をクリアすることも考えられるが、三世やその配偶者にはそう簡単に永住ビザが発行されるわけではない。この国際的な労働移動に対応するためには、南米諸国などでは民営化された年金制度とはいえ、各国政府が協定を結んで出稼ぎ先の国で納められた年金保険料を本国または第三国でも継続して掛けられるような制度が整備されている(アルゼンチンとチリ、チリとペルー等)。掛け捨てにならず、納めた分いずれ年金支給額に反映してくるのである(ペルーの民間の年金運営会社はホームページ等でそのような仕組みを詳細に説明しており、海外からも掛けることができるとアピールしている)。

日本が国として南米やアジア諸国とそのような仕組みを築くとは現時点ではかなり難しいようであるが、とりあえず脱退一時金の拡大及び外国人にも空期間を認めて掛け金と納付期間に応じて支給する制度の整備が急務である。

それと当時に自分たちの不注意や怠りは非常に不安な老後を意味し、”天から降ってくる恵の「福祉的な年金」”はないということを無保険の日系人たちに承知させなければならない(日系人たちの年金に対しての意識と義務感が非常に薄いという問題もあるが、いずれは日本で働いたことによって福祉年金のようなものがもらえるのではないかと楽観的に思っている者もいる)。また、毎月13.300円の掛け金である国民年金であっても、40年間掛けたとしても老齢基礎年金が年間額80万円ぐらいにしかならないということも知ってもらう必要がある。一般の日本人は、社会保険をはじめ民間の個人年金や国民年金基金(自営業者向け)、組合の貯蓄型年金や生命保険等で老後設計の不足部分を補っていることを認識してもらわなければならない。

本来、厚生年金に加入していればあまり問題にならないものであるが、現制度では日系人や他の一般外国人の状況には対応しきれず、仮に加入や受給資格問題が是正されたとしても帰国した際本国での安心できる老後を実現するためには現脱退一時金制度の適正化と充実化は必要不可欠である。

注3:本来、労働者は労使折半の社会保険に加入しなくてはならないが、多くの日系人や外国人労働者は自治体が運営している「国民健康保険」にしか加入していない。この医療保険は自営業者や学生、退職者が加入する保険なのだが、外国人の社会保険への加入率があまりにも低いということからほとんどの自治体が認めることにしている。しかし、それは厚生省の方針に反することなので、ブラジル日系人の多い静岡県では、国保への加入は一切認めていない。駐日ブラジル総領事も知事や市長と話し合いを重ねてきたが、県や県議会は国の方針を遵守するという立場を崩していない。法的には、静岡県の対応の方が正しいのだが労働市場の実態の観点からみると国保加入はやむえない措置である。

日系人子女の教育問題について:
 
 
 
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