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21世紀の日系人社会 実態と展望 ー 真のかけはしを目指して ー

(財)海外日系人協会 季刊「海外日系人」掲載(2001年)

日系人社会とは、通常、この100年の間に日本から海外に移民した日本人やその子孫が形成している日系人コミューニテイーと理解されてきた。しかし、現在日本では80年代から90年代にかけて、中南米諸国から日本に出稼ぎ目的で”逆移民”してきた日系人の2世や3世またその配偶者(かなりの割合が非日系人で三世になるとsの割合も高くなる)も含まれているということで、南米で形成された日系人の社会と日本で形成されつつある日系人社会がある程度リンクしているとも言える。

南米に残り、南米社会で活動している日系人と南米から日本に来た日系人は今は互いに無視できない存在であり、様々な思惑や利害があるにせよ、協力の仕方によっては新しい交流のチャンネルになる可能性もある。

しかし、そのためには互いに日本の状況をもっと客観的に理解し、展望やこれから越えなければならないハードルを把握していく必要がある。そうしたことから、なぜこの日本に約30万人の日系人が存在し又どのような構造的な問題を抱えており、解決への提言を加えながら日系人の将来像を考えていきたい。

日系人の日本移民の背景について:

80年代の南米は「失われた10年」と知られており最も経済状況が悪かった時代である。70年代から80年代にかけてかなりの日系人経営者(農園や商店の事業主)は、設備投資や事業拡大のために多くの負債をドル建てで抱えていた。一部の事業主は金利が安い円で借りていたが、その負担は国内通貨の目減りと共に拡大し、プラザ合意後の円高はその支払いをほとんど不可能にした。こうした社会・経済環境の中、日本への出稼者が現れるようになったが、初期はほとんどが一世(移民した日本人)だったためただの”緊急避難的な”里帰りと見なされた。90年代には、アルゼンチンをはじめブラジルでも大胆なインフレショック療法の経済政策が採用されインフレは完全に収まったが、その一方、深刻な不況に見舞われた(この状況は98年にブラジルの通貨レアルが下落した後も再発した)。その時点で借金というよりも消費低迷による経営不振や失業という問題に対応するために、二世や三世が日本にやってきた。94年ぐらいまでは、日本ではバブルがはじけたとはいえまだそれなりの職もあり、男性の平均賃金は35万円ぐらいであった(女性が25万円)。しかし、現在は(平成12年)男性でも月収25万円が限度で女性に関しては12万円ぐらいまで低下した。もちろん職種や勤務時間、残業数や諸手当等の内容にもよるが以前のような処遇はみられないし、あのようなブームは当分ないと思った方が無難である(いまだに日系人たちはまたいつかあのような時代が戻ってくるのではないかと信じている者もいる)。

最近、日本に住んでいる日系人の中でも様々な問題が発生しており本国(南米諸国)の日系人団体や出身国の政府からも日本政府や地方自治体に対して日系人支援の拡大とともに制度の改善や法改正等を求めている。しかし、どこまで実態や制度の問題を把握しているのかについてはいささか疑問に思う部分もあり、1)から4)によって整理してみる。

1)在留資格と労働範囲について:

日本には27万人の日系人が居住しているが、基本的にビザの問題は存在しない(注1)。90年の入管法改正で日系二世や三世又はその配偶者は、就労活動には制限のない在留資格(日本人配偶者等もしくは定住者)が与えられており唯一”公認”された「合法的な非熟練外国人労働者」である。日本政府は、政策上、製造業や建設業、サービス分野での単純労働の外国人は受け入れないという方針を定めているが、27万人の不法滞在者以外は日系人が唯一間接的に合法化されたその種の労働力である。

いかなる業種についても一部の例外を除いてほとんどが日本語の読み書きがあまりできないため、技術訓練や業界の資格取得にも参加できない状態にいる。本国ではかなりの高学歴であると当初はマスコミ等でも伝えられたが、継続的で専門的なレベルアップを行っていないため本国に帰ってもあまり役に立たなくなってしまっていると元医師や弁護士の資格を持った日系人が認めている(注2)。

また、たしかに40代や50代のブラジル日系二世の中には介護や福祉関係の資格を取得しており、病院や老人ホームなどで就労しているが、これも介護専用の仲介業者がヘルパー等の資格を受けさせているからに他ならない。自ら進んで高度で就職活動、職場での昇進に役立つ資格を取得したという事例はあまりない(これは、留学で大学院に進学し修士号や博士号を取得したもの以外の日系人のことであるが、クレーンや玉突き、フォークリフトや一定の建築機械の運転資格を持っている者は多数いるようである)。

多くの日系人が「いずれは国へ帰る」と各種アンケートで答えているが、実態を視てみるとそのほとんどが帰ってもあまりいい職に就けないことや日本で中途半端な教育を受けた子供たちが本国の教育制度に適用できないという不安が伺える。  かつては、南米諸国への日本人移民も想像を絶する多くの困難をともなったが、少なからず「夢と希望」が実現できるという可能性が潜んでいた。また、自分たちの世代では無理でも子供たちにその夢を託し、それなりに実現したとも言える。

たしかに80年代の終わりから5年ぐらいの間は、日本企業の人手不足を機に日本に約30万人の南米日系人が出稼ぎに来たが、多くの日系人は今も本国でりっぱに活躍しており社会的にも信頼されている存在である。平均して、本国の日系社会の13%から16%ぐらいが日本で生活しているが、現入管法上の在留資格制度からみてもこれ以上南米出身の日系人が増えるということはありえない(同胞優遇で四世まで拡大した場合は別だが)。多少の入れ替わりはあっても、日系人の滞在者数がこれ以上増えるとはない。

そして、帰国者に対しても本国の経済状況が好転したとしても最大2割ぐらいしか戻らないのではないかと推測できる。それは、6割以上が家族単位で滞在していることと単身者も日本での生活にかなり馴染んできており、同国人と結婚することが今も多いが日本人や他の南米出身者との結婚する者も増えており日本で家庭を築いているからである。

いかなる移民も強制的な居住移転や戦争、組織的及び継続的人種差別、長期的・構造的貧困といった異常事態でなければ、定期的な一時帰国はあるにせよ完全にほぼ全員が引き上げるということはあまり観られない。10年といった一定の期間留まった場合は少なからず定着してしまうという傾向の方が強いというのが他国の事例で立証されている。初期の「出稼ぎ者」という要素が薄くなり結果的には「定住者又は永住者」になっていくのである。

注1:ペルー国籍の日系人又はその配偶者や子弟の登録者数は約4万1千人である。しかし、92/3年には、日本人の戸籍謄本の売買が頻繁に行われ、大量の偽装・変造書類が出回るようになった。非日系人のペルー人がその戸籍を元に新しい身分をつくり「日系人」として来日、滞在しているものが少なくとも15.000人ぐらいいると推定されている。ペルーの日系人社会は約9万人と言われているが、働ける年齢の二世、三世またはその配偶者等が4万人以上日本に滞在していることは非常に不自然な現象である。本来であれば、現日系社会の状況から12%から15%ぐらいが出稼者としての来日が限度である。多く見積もっても20%である。

 最近は、入管の査証審査も厳しくなっており、ここ数年かなりの偽装日系人が発覚、退去強制命令を受けている。4万1千人の登録されたペルー国籍者以外にも、1万2千人のペルー人が不法に滞在している。

注2:たしかに初期は、医師や歯科医、弁護士等が多少いたようだが、ある程度の資金を貯めた段階で帰国し、開業したり事業を継続した方が多いようである。高学歴の日系人は、決してみんなが工場労働者として働いているのではなく、日本に留まったものでは、店を経営したりパソコンスクールを開業したりしている。本国での資格は日本では通用しないということで、日本での活動がかなり制限されてしまっているが、唯一、弁護士で外国法事務弁護士の資格を取得し、日弁連に登録されているのはブラジルの日系二世、愛知県居住の古屋リリアナ氏である。医師に関しては、毎年多数の日系人がJICAの奨学制度を活用して大学病院や研究機関において専門的なレベルアップや研究交流を図っている。

日系人の雇用形態について:

 
 
 
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