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「RESIDENCIA PERMANENTE Y NATURALIZACION 在留資格、永住と帰化」著者:アルベルト松本

スペイン語語版  (資)イデア-ネットワーク 1998年10月  3千部発行(完売)

永住と帰化  本著書内容の要約
日本で在留するための各種ビザの取得方法と帰化申請
出入管理国及び難民認定法、外国人登録法、国籍法の実用マニュアル
完全スペイン語版 

第1章:ビザと各種ビザの概要
■ ビザというものは権利ではなく、入国管理局が日本への入国や滞在の在留資格を認めるために外国人に与える許可である。

■ 入管法が規定している各種ビザは、特に就労活動に関しては専門的かつ高度な職業が主に優先されている。いかなる業種でも、単純労働的な作業への従事を認めるビザは存在しない。結果的には、90年の改正で南米諸国の日系人がそうした職種に就いているが、この実態が法律の趣旨と一時的な政策と矛盾してしまっている。

■ 家族の呼び寄せやビザの取得には、在留資格認定証明書という申請方法が一番確実であるが、これで完全に入国が保証されているわけではない。入国を拒否されないためには、入国手続の意義と手順を理解することや滞在目的をはっきり述べることが肝心である。

■ 人道的な理由もしくはやむえない事由がない限り、観光ビザからの在留資格変更はかなり難しい。また、ビザの変更自体、明白な理由と根拠が必要。査証免除協定は、短期滞在のみの入国を容易にするだけで、就労や資格外への道ではない。アジアの国やペルー等との協定は、現在一時的に停止されている。

■ ビザは、継続的に更新できるが、その更新がいつも許可されるとは限らない。申請する者は、更新の理由とその根拠を立証しなければならない。
ビザの有効期間中、再入国許可を得ずに出国するとそのビザが無効になり入国できなくなる。

■ 査証手続に欠かせない「身元保証人」は、形式的な書類ではなく、日本国に対して一定の責任を負う約束の証明なのである。民事的な連帯保証とは異なるが、安易に保証人を変更したり、その資格もないのに頼んだり引き受けたりしない方が望ましい。日系人の多くは、仕事を斡旋している派遣会社(ブローカー)が身元保証人になっているが、そのリスクとデメリットを考えることも必要である。

■ 外国人登録法は、居住地の地方自治体で行うが、ビザ取得後の外国人登録という手続を規定しているだけではなく、住民として常時「外国人登録書」を携帯することや変更届、紛失したときの再交付や帰国時の返還義務等を定めている。
  また、納税事務や官庁での諸手続、銀行での口座開設や民間の保険への加入時にも提示しなければならない。

第2章:ビザ取得の基準と手順
■ 短期滞在ビザが認めている活動には報酬を得る目的は含まれていない。観光目的で入国する外国人には、ある程度のスケジュールや目的と訪問先、最低限の資金が要求される。年間、約2万人の外国人が入国・滞在目的の不明さや旅券の不備等で日本各地の国際空港で入国が拒否されている。

■ 人材育成のために就学、留学そして研修ビザというものがあるが、受入機関や大学等の入学証明書と指導教官の同意がないと入国・滞在できない。また、私費留学生の場合は、経済的にもその資力と保証が必要。研修ビザの取得基準は厳格であるが、受入団体である中小企業団体や組合などが悪用して研修生の単純労働化を計っていることもしばしば観られる。

■ 就労ビザには、「技術」、「投資・経営」、「法務・会計業務」、「医療」などが認められているが、自国でその資格を取得していても日本でも同じように活動できるとは限らない。弁護士や医師は、その例である。こうした専門業務へのビザには、一定の報酬を保証する受入企業・団体の雇用契約等が必要であり、ビザの更新もその契約関係に拘束される。

■ 外国人配偶者は、日本人と離婚又は死別したりすると、それまでの配偶者としてのビザ更新が非常に難しくなるため、ある程度の定住期間を得た段階で永住許可の申請を進める。

南米から来ている日系人たちも、二世たちはこの「日本人の配偶者等」というビザを取得しており、三世たちは「定住者」ビザで滞在している。これらのビザは、いかなる業種も限定せず、営利目的を追及しても問題にならないということで、ほとんどの日系人たちは単純労働に従事している。外国からの未熟練・低所得者移民を認めないという入管法の趣旨と入管行政の基本方針に矛盾する一番むずかしい今の課題である。不況が深刻化することによって、労働力として不法就労者と競合することにもなり、場合によっては、日本人の子孫として中南米諸国との友好関係にまで影響する最悪の結果になってしまう恐れがある。

■ 外国人不法残留者が、日本人と婚姻しても必ずしもすぐにビザが与えられ滞在が許可されるわけではない。やむえない高度で人道的な理由がなり限り、一度自国に帰国しなければならい。

■ 現在、登録されている外国人だけでも約150万人に上り、南米のブラジルとペルーの増加がここ数年著しい。ペルー国籍者に関しては、書類を偽造・変造して「偽造日系人」の問題を起こし、合法的に滞在しているペルー人の中にそうした「日系人」が少なくとも1万2千人ぐらいはまだ存在していると推測されている。また、人口比率からみても、ペルー国籍者の犯罪率があまりにも高く(不法滞在・就労、入国拒否の対象、窃盗、交通事故の観点から)、外国人コミュニテイーとして社会的に信頼の回復に努める必要がある。

第3章:永住権の取得
■ 滞在期間が長ければ永住ビザが自動的に与えられるとは限らない。職場での継続期間や収入の安定性、家族の構成や将来への展望、日本語の理解力や人格みたいなものも審査に影響する。

■ 永住権とは、更新を必要としないビザともいえるが、ビザであるという性質は変わらず、日本から出国する際には再入国許可を申請しなければ入国時には無効になる。

■ 外国人永住者は、雇用や家庭生活の観点からも日本を常時居住地として選んだとことを表わしている。例えば、住宅購入の際、ローンの設計や金融機関への融資申請には他の外国人から比べてもかなり有利になると伝えられている。また、最近は、地方自治体での地方公務員募集にも、限定的ではあるが参加できる。

第4章:不法滞在・就労者の課題
■ 不法滞在者たちは、原則として強制退去の対象になっている。場合によっては、逮捕されるだけではなく起訴されて裁判になる。また、いつも刑の執行猶予になるとも限らない。

■ 不法に滞在するということは、刑罰を受けるということだけではなく社会的にはフルに医療サービスが受けられず年金制度にも加入できない。また、自ら会社を設立したり、銀行口座を開設したりすることもできないので、通常の経済活動を平常に営むことができない。唯一、労災の保障対象として認められている。

■ 観光や短期滞在で訪れる外国人以外は、国際免許証を取得していても、当然ながら日本ではそのまま自動車の運転は認められないが、多くのオーバーステーは自動車を購入して無防備に運転している。交通違反も多いが、問題は保険にも加入していないケースがほとんどなので事故を起こした時には賠償責任も追及できない。

■ 不法残留者への最も大きな懸念材料は、犯罪への荷担または違法活動に巻き込まれるということだけではなく医療保障の問題である。民間を含むいかなる保険にも加入できないため、診察や入院を拒否されたりするので、限定的な治療しか受けられないことが多い。

■ 日本で生まれた不法残留の外国人夫婦の子供たちは、ビザも取得できないし当然ながら日本国籍は取得できない(中には、アメリカのようにその土地で生まれたことによって国籍が与えられるのだと考えている)。また、日本人と結婚しても、自動的に在留許可が与えられるわけではない。一旦、帰国してから日本人配偶者が「在留特別許可」を申請しなければならない。

■ 不法残留者は、入管に自ら出頭すると比較的に強制退去手続が簡素化されるといわれているが、他の犯罪や違法活動との関連の疑いがある場合にはその限りではなく、起訴されることもある。

■ 不法滞在者には、厳しい処罰規定が定められており、まじめに就労していたからと言ってその罪は免れない。そして、一度退去強制命令を受けた者の再入国はそう簡単に実現できない。

■ 一般の外国人労働者や不法就労者たちは、不況になっても中小・零細企業では雇用の需要があると信じているようだが、今後の経済状況の行方によってはその安心感は裏切られる可能性もある。

■ 一部のペルー人不法残留者からは、フジモリ大統領と同国外相当てに不法滞在者の恩赦を日本政府に働きかけるよう嘆願している(97年に同大統領が来日した際にペルー大使館を通じて嘆願書を渡しているとのこと)。

第5章:帰化
■ 帰化は、国籍取得の申請方法であり、在留資格とは完全に異なった法性質を持っている。帰化というものは、入管法ではなくて国籍法に規定されている。日本は、血のつながりのある者へ国籍を優先的に伝えていくという血統主義を採用しているが、他の国が排他的な出生地主義をとっている場合は、日本で生まれた子供たちが無国籍児になってしまう結果を招くこともある。決して、日本の血統主義がいつもその原因をつくっているわけではない。

■ 日本人家族に養子として認められれば、また、日本人と結婚してその婚姻事項が戸籍謄本に記載されていれば、日本国籍を自動的に取得できると誤解している外国人もいる。

■ 日系人たちは、両親が日本人ということで「簡易帰化」という形で帰化申請をできるとされているが、日本語の能力や職の安定というものも十分に審査されるので決していつもスムーズに手続が進むわけではない。

■ 帰化することは、日本国籍を選択するということで、一人前の日本人として認められるまではかなりの時間と真の理解を深める日常の交流が必要である。日本国籍を取得しても、「帰化した外国人」としてしか観られないケースも多く、それまで「外国人」だから多少許されていたことも、帰化することによってその寛容さがなくなることもあると報告されている(考えてみれば当然のことである)。

■ 日本語の読み書きが不十分だと、日本人としての権利も主張できないし、義務を負えない。帰化した外国人は時間をかけてでも、日本語のレベルアップを図っていかなければならない。

■ 生まれた国の法体系によって、日本で「国籍選択の宣言」を行っても二重国籍状態が続く場合もある。しかしながら、そうした身分を悪用したりもう一つの国で公職に就いたりすると、日本国籍を喪失することにもなる。いずれにしても、重国籍者の問題は一概に日本側だけの法的措置だけでは解決できない部分もある。

第6章:結論
■ 日本の外国人居住者は、全人口の1%ぐらいにしかならないが、一時的滞在の留学生やビジネスマン等以外は、特別永住者とかなり部分が定住化しつつある長期滞在者である。

28万人の南米日系人も、例外ではないとされてきているが、日常の共存関係や社会義務をスムーズに果たさなければ日本での滞在がかなり苦しくなると考えられる(現時点でも、地域によっては、かなりの社会摩擦が発生している)。5年も滞在しながら、日本語で自分の名前や住所さえ書けないのは情けない話しである。

両親や祖父母が日本人である日系人には、寛容的な部分もたくさんあるが、当然としてその分厳しく要求されることもたくさんある。

バブル最盛期の人手不足を補うために入管法まで改正して受け入れた日系人たちだが、当初はあまりにも高い処遇で雇用され、一部の地方では外国人児童などの教育問題までサポートする大変積極的な受入対策を講じた。

しかし、あまりにも甘やかされてしまった結果、現在の経済状況の悪化や深刻さ、産業構造の変化などを把握しきれず危機意識に欠けていることも見逃せない(自分の国と比較して、日本の不況はあまり深刻に映らないのも事実である)。

急激な「人」の国際化で、入管行政も対応に追われている状況だが、厳しくても解りやすい透明なルールづくりと対処が求められている。

詳しくは、PDFファイルの経歴書を参照 (スペイン語語版)

 
 
 
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